海燕社の小さな映画会2024にて「南島残照 女たちの針突 ~沖縄・宮古諸島のイレズミ~」が上映されます
「海燕社の小さな映画会」 2024年8月/August
◆作品
『南島残照 女たちの針突(ハジチ)-沖縄・宮古諸島のイレズミ-』(ヴィジュアルフォークロア製作/1984年撮影/2014年製作/64分)
『イザイホウ』(監督 野村岳也/海燕社製作/1967年/49分)
◆日にち 2024/8/10(土)
◆場所 沖縄県立博物館・美術館 講堂 (3F)
◆時間 13:15受付、13:30開場、14:00開始
◆料金 1,200円(予約制)※当日1,500円 小中高生先着10名まで無料(予約必須)
◆電話 098-850-8485(海燕社/カイエンシャ)
【南島残照 女たちの針突(ハジチ)-沖縄・宮古諸島のイレズミ-】
沖縄・宮古のおばあたちの手に刻まれたイレズミ〈ハジチ〉。かつて南は与那国島、北は奄美大
島・喜界島まで南島女性の象徴として見られたが、明治時代の「文身禁止令」以降、次第に廃れ
ていった。1984 年、沖縄本島と宮古諸島にハジチを伝える女性を訪ね歩き88 歳から99 歳まで
の女性22人に自らのハジチについて語ってもらった。激動の世を生きた女たちの人生が深く刻ま
れたシワとともに饒舌な島言葉で語られる。南島のイレズミ文化の消滅直前の貴重な記録である。
【監督】北村皆雄
【撮影】柳瀬裕史・北村皆雄
【制作】北村皆雄・三浦庸子
【監修】名嘉真宜勝
【琉歌】嘉手刈林昌
【わらべ歌】糸満市西崎小学校合唱部 [ 採譜・編曲] 杉本信夫
【撮影助成】公益財団法人トヨタ財団
【イザイホウ】
沖縄県南城市の久高島は、昔から神の島として知られ、年間三十に及ぶ神事が、島の暮らしに組
み込まれており、今でも島人によって厳粛に受け継がれている。この久高島最大の神事が、十二
年に一回午年に行われる「イザイホウ」である。
「イザイホウ」は、30 歳から41 歳の島で生まれ、島に生きる女が神になる神事で、四日間の本
祭を中心に一ヵ月余の時をかけて行われるのである。島の女たちは、ノロを中心に神女組織を構
成して島の男たちや島の暮らしを守ってきた。
これは、1966 年の「イザイホウ」の記録作品である。
「イザイホウ」はその後1 回行われ、1978 年を最後に消滅した。多くの祭や神事が時代の波と
ともに形骸化し観光資源に変身したケースの多いなかで、「イザイホウ」は厳粛な神事の心を失
わず、生きたまま消え去ったのである。
「イザイホウ」はまた、ドラマチックな構成を持ち歌や踊りの原点ともいうべき内容を有し、学
問上でも価値の高い稀有の神事であった。今は、この記録映像で、その魅力の一端を感じてもら
うしかないのである。( 野村岳也)